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改めて、要保護者の生活保護の利用を妨げる「生活保護法の一部を改正する法律案」の廃案を求める会長声明

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改めて、要保護者の生活保護の利用を妨げる「生活保護法の一部を改正する法律案」の廃案を求める会長声明

1 政府は、本年10月15日、臨時国会の開催に伴い、「生活保護法の一部を改正する法律案」(以下、「新改正案」という。)を閣議決定し、同月17日、国会に提出した。
2 当会は、本年5月29日、「生活保護法の一部を改正する法律案」(以下、「旧改正案」という。)について、「要保護者の保護の利用を妨げる『生活保護法の一部を改正する法律案』の廃案を求める緊急会長声明」を公表し、その廃案を求めた。旧改正案には、①違法な「水際作戦」を合法化し、②扶養親族への通知の徹底、調査権限の強化拡大など保護申請に対する一層の萎縮的効果及び抑制作用をもたらす看過しがたい重大な問題があったためである。
旧改正案については、批判の高まりの中、与野党協議により一部修正されたものが衆議院で可決されたが、本年6月26日の第183回通常国会の閉会に伴い廃案となった。
3 新改正案は、与野党の修正協議を踏まえ、申請の際に申請書及び添付資料の提出を求める24条については、1項の「保護の開始の申請は・・・申請書を・・・提出してしなければならない」との文言を「保護の開始を申請する者は・・・申請書を・・・提出しなければならない」との文言に変更し、また、同条1項及び2項に、いずれも、「特別の事情があるときには、この限りでない」とのただし書きを加え、申請の意思表示と申請書の提出を概念的に切り離す形に変更されている。
  これに対し、扶養義務者への通知及び調査に関する旧改正案24条8項、28条及び29条については、一切の修正がなされていない。
4 第183回通常国会審議の際の政府答弁等によれば、まず、改正案24条については、従前の運用を変更するものではなく、申請書及び添付書類の提出は従来どおり申請の要件ではないこと、福祉事務所等が申請書を交付しない場合も、ただし書の「特別の事情」に該当すること等を、法文上も明確にする趣旨で原案を修正したとされている。
しかし、法文の形式的な文言のみからは、修正の趣旨が不明瞭である。
また、従前の運用を変更しないのであれば、そもそも、法文の新設は不要である。
したがって、このような修正をした新改正案であっても、申請時に書類の提出を求めたり、申請書を渡さないなど、従来からの違法な「水際作戦」の追認・合法化につながる危険がある。
5 旧改正案24条8項、28条及び29条については、新改正案における修正はなく、保護の実施機関に対し、保護開始の決定をしようとするときは、あらかじめ、扶養義務者に対して、厚生労働省令で定める事項を通知することを求めるとともに(24条8項)、扶養義務者の扶養能力について、保護の実施期間の調査権限を強化する(28条、29条)規定となっている。
  この点について、政府答弁では、明らかに扶養が可能な極めて限定的な場合に限る趣旨であると説明されている。
  しかし、かかる規定の新設により、保護開始申請を行おうとする要保護者が、扶養義務者への通知等により生じる親族間のあつれきやスティグマ(世間から押しつけられた恥や負い目)を恐れて申請を断念するという萎縮効果を一層強め、申請権を形骸化させることは明らかである。
  これは、わが国における生存権保障(憲法25条)を空文化させ、その精神を踏みにじるものであって、到底容認できない。
6 よって、新改正案についても、旧改正案に見られた重大な問題点は何ら払拭されていないと言わざるを得ないことから、当会は、新改正案の廃案を強く求める。
  
2013(平成25)年11月18日
高知弁護士会
会長  岩 﨑 淳 司

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